04062-150613 【親指シフト】は「ながら押し」ではなく「同時押し」だから「親指プラス」とでも呼ぶ方が適切かも〈写真はdp1 Quattro〉
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そこで明らかになったのは、「同時押し」を理解していただくのが大切、ということ。親指シフトにおいて「同時押し」は最大のキーポイント。それを誤解していると、うまく設定できていても親指シフトできません。
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親指シフトでは、1つの文字キーに対して3通りの押し方をします。上の配列表をご覧ください。
1. 文字キーをそのまま押す→配列表で各キー中央に記載されているかなが入力されます(ex.う、し、て、け)。
2. 文字キーを押す指と同じ手の親指でシフトキーを「同時押し」→配列表で各キー左上に記載されているかなが入力されます(ex.を、あ、な、ゅ)。
3. 文字キーを押す指と反対の手の親指でシフトキーを「同時押し」→配列表で各キー中央に記載されている文字の濁音が入力されます(ex.ゔ、じ、で、げ)。濁音が存在しない場合、左下に記載されている半濁音が入力されます(ex.ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ)。
この「同時押し」のやり方がキーポイント。「文字キー」と「親指シフトキー」を本当に「同時に」、つまり同じタイミングで押し込むのです。キーボードの両サイドにある「Shift」キーや、「Command」、「Option」、「Coltrol」といった機能キーは、それを押しながら文字キーを押す「ながら押し」ですが、親指シフトは異なります。「ながら押し」ではなく「同時押し」。
この「同時押し」。ピアノを弾くように2本の指だけを動かして和音を弾くように同時に押すことももちろんできますが、手全体を手首から動かしたり、肘から先全体を動かしたりして入力することもできる。そこが「ながら押し」よりも優れているところ。「ながら押し」は、複数の指を指だけで動かすといった器用さを要求されますが、「同時押し」は2本の指(親指と他の指1本)で押し込む際、「同時」でいいので、手全体を動かせばいい。指だけを動かす必要なし。器用さを必要としない。
不器用でもできる。それが「同時押し」です。Facebookの「親指シフトグループ」でもなんども質問として出ていますので、その都度、どのように説明したらご理解頂けるか悩ましいのですが、一旦わかってしまえば「同時押し」はシンプルで簡単です。
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親指シフトの「同時押し」を「ながら押し」に誤解してしまう原因は、「親指シフト」というネイミングにあると思います。「シフト(shift)」とは、「ずらす」、「移動する」という意味。昔のタイプライターで、大文字や記号をタイプす�前に押し込んでおくキーが「シフトキー」。それを押し込むと、活字を打ち込むアーム群を保持する「タイプ・バスケット」全体が下にずれて(シフトして)、異なる文字を印字できる仕組みです。
つまり、シフトキーとは「ずらす(シフトする)」キーであり、その使い方は常に「ずらす→打鍵する→もどす」という3ステップからなる動作を要します。タイピングに関して「シフト」という単語を聞いたら、普通の人はこの3ステップの動作を想起するはず。言葉のセンスが鋭敏な人ほど、「親指シフト」=「親指でシフトする」=「親指でずらす」=「親指でシフトしながら文字キーを打鍵して親指を戻すという使い方」を想像するに違いありません。
shioは20世紀終盤のワープロ専用機全盛期に普及していた親指シフト機を知っている世代なので誤解はしませんでしたが、それを知らない人、あるいは親指シフトでタイプしている様子を直接見る機会のない人は、何の疑問もなく「ながら押し」するはず。そうすると、MacやWindows機に親指シフトの設定をしたはずなのに「同時押し」がで�ない、という事態に陥ります。
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したがって「親指シフト」と呼ぶのは不正確。何もずらさない(シフトしない)キー、操作に「シフト」と名付けたのが誤解の元。
では「親指シフト」ではなくなんと呼べばいいのか。「親指プラス」ですかね。
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ネイミングはさておき、親指シフトの「同時押し」は「ながら押し」ではなく同じタイミングで押す。これさえわかっていただければ、親指シフトで快適にタイピングできるようになると思います。
ちなみにshio、親指シフトで同時打鍵をするようになって以来、普通のcommand+aとかcommand+cとかもほぼ同時押ししています。それでちゃんと機能するので、3ステップで行うより1ステップで実行できて、快速です。
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